2019年06月05日

出向先の会社の「普通の判断」に泣きそうになった話

今自分は、とある会社から仕事をもらっている。

「仕事をもらっている」というと少し聞こえが良いが、以前勤めていたSES会社(A社とします)と個人で契約して、他の会社に出向してるだけ。
やってる事は社員と変わらない。

 

A社を辞めてしばらくたった後、A社から「個人として契約しないか」と声をかけて頂いたのが始まりだった。
その時は比較的条件も悪くなかったので、受けた。

それからなんだかんだで今まで約6年くらい?続けている。
いろんな会社に出向してPHPやらなんやらで仕事をしていた。

 

しかし年々、契約の単価が厳しくなってきて、
少し前に社長が変わってからは特に、目に見えて条件が厳しくなった。
今貰える単価は収入と支出がトントンぐらいか、むしろ赤字気味。

勤務時間が月180hを超えると追加清算がもらえてたのも、月200h以上やらないともらえなくなった。
つまり月の勤務数が20日、1日8hとして、
月に50時間残業してようやく10時間分の追加清算がもらえる感じ。

 

 

そんなこんなで、6月から新しい現場(B社とします)に入った。
自分と、A社の社員2人、計3人でB社に出向。

B社で、B社の更に上の元請けから提示されたスケジュールに沿って、プログラムを作る…って感じの仕事なんですが、
なぜかA社が妙なことを言い出す。

 

「君たち3人の進捗管理はA社内にいる中間管理職がする。」
(この人は当然プロジェクトメンバーじゃなくて、ドキュメント類も見れない)

「スケジュールにバッファを持つ為に、
B社から提示されたスケジュールはあくまで対外的なものとして、
こちらで更に切り詰めたスケジュールを作成するので
それに沿ってやってもらう」

「とりあえず残業はしてもらう」

「全体としてスケジュールの仕事が早く終わったら、
A社内に戻ってきて別の仕事をしてもらうかもしれない」

 

えぇ…

 

A社とB社の間は請負契約(偽装請負というやつ?)だから、早く終わらせて戻ってくるだけ得なんでしょう。

 

ただ、「とりあえず残業をしろ」というのには一応根拠があった。
B社の更に上の元請けから資材が降りてくるのが遅れて、スケジュールが開始時点で2日くらい遅れる計算だった。

 

個人的には「元請けのせいなんだから、そう話をしてリスケすべき」だと思うし、B社の窓口の方も「元請けにその話をしてリスケを交渉する」と言ってくれた。
ただA社では、基本的に元受けが原因の遅延だろうと内部の社員に負担を強いる事が多かった。

実際、今回も「元請けの問題とは言え、リスケの要請が通るか分からない」みたいな事を根拠に残業を命じてきた。

 

定時になり、同じフロアのB社社員が帰り始める中、その後もしばらく残っていると、我々がいるフロアにB社の社長がやって来た。
そして自分らA社からの出向組を見て
「あれ、まだやってるの?帰りなよ」
みたいな事を言ってくれた。

 

上記の状況を伝えて、スケジュール上遅れているから残っている事を伝えると、
既にその事は把握していたらしく、

「資材が降りてくるのが遅れてたんだから今遅れてるのは当然でしょ」
「こっちからその事は元請けに話して理解してもらうから」
「だから帰っていいよ」

と言われた。

 

びっくりするほど当たり前で常識的な話だけど、
上の人が常識的な判断をしてくれるって事がどれだけ有難くて頼もしいか、
なんかすごい急に染みてきて泣きそうになった。

というか帰りの車の中で少し泣いた。

 

A社には先代社長の頃からお世話になったけど、今の契約が切れる7月で終わりにしようと思う。

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